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おもしろき こともなき世を おもしろく 高杉晋作辞世の句より

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迷いなき

昨日は全国各地で高校、大学、クラブチーム、トップリーグと楕円球の戦いが繰り広げられた。


秩父宮で行われた慶応VS法政、帝京VS早稲田の2試合をじっくり観戦。結果はメディアですでに伝えられているように、慶応が安定感を見せつけて法政を退け、帝京が早稲田の3連覇を打ち砕く形となった。


慶応は終始ゲームをコントロールし、ここというときに一気に攻めきる形にさらに磨きがかかってきた。シンビンで一人退場した直後の自陣からの高速アタックでトライまで結びつけたのはお見事。今年はトライを取るまでのプロセスが例年に比べスピードアップしていると感じる。またセットプレーはよく研究されており、エリアの取り方も理にかなったものだった。タックルの低さと間合いの取り方も文句なしで、芯の太さを感じた。


法政としてはスピードランナーをもっと縦に使いたかったところだが、慶応の速いディフェンスの前に前半終りから後半にかけてバックスのアタックの角度が斜めにずれ始めたところからゲームプランが崩れ始めたように見えた(ウィングまでまわしたボールはすべて慶応に読まれていた)。SO文字選手のキックも2回ゴールポストにあたるなどアンラッキーな部分もあり、後手に回る80分だったように思う。また来年に期待したい。


第2試合。帝京はスタンドオフの徳永選手を早々と欠く布陣となり、特に前半は早稲田の速いバックス相手に耐える展開となったが、後半からはエンジン全開。待ってましたといわんばかりのFWの接近戦に持ち込んだ帝京のゲームプランはすべてがパーフェクト。総合格闘家を思わせるFWのフィジカルはダムを決壊させる津波のように早稲田ゴールラインに押し寄せた。また運動能力の塊と形容したくなるSH滑川選手のパスとキックが背後からその波に勢いを加えた。すでにこの段階で優勝を射程圏内に捉えた感がある。残り2試合。視界良好の赤い軍団を止めるチームがあるか、要注目。


そして早稲田。試合終了後、崩れ落ちる大器、SO山中選手の背番号10が何とも切なく、はかなかった。怪我人を抱えながらも「逆境を楽しもう」と選手をゲームに送り出し続けた中竹監督だったが、今シーズンは最後までスタイルの輪郭が見えなかった。実はこの現象、前清宮監督が去ってから続いている気がしている。もちろん昨年の大学選手権の関東学院との試合で見せた「ディフェンスで圧倒する」という迷いなきプレーも多々あったが、今年は特に年間を通しての盤石さ、何があってもこれでいくという一本槍はぼやけた。


昔関東学院で4年間SOを務めた淵上選手(現コカ・コーラレッドスパークス)が2年次にゲームをコントロールしていたとき、当時のSHであった池村選手に春口前監督が「池村、迷うなよ。淵上だぞ、淵上」と声掛けしていたのをよく覚えている。パスを放るだけじゃなく自分で仕掛けようと思った池村選手のプレーを制限(ほぼ淵上選手へのパスのみだった)させてでも「淵上でいく」のプランを貫き、見事優勝した。先のワールドカップでのアルゼンチン代表も明快であること、数あるものをそぎ落とし、絞り込んで磨き抜くことに終始したのは記憶に新しい。あくまで個人的だが、迷いを削るその先に「強さ」が出現してくる、そんな印象を持っている。


早稲田も同様にというつもりはないが、やはりこの日、日本代表の山中選手を起点にするべきだった。試合を決める後半ラスト16分間に選手交代でピッチにいないことで、何かが起きる雰囲気が消失した。帝京として嫌だったのは彼から出るボールが生き生きしてくること、時にランでしかけてくること、それによりディフェンスが絞れなくなることであったと想像する。もちろん再三の高いハイパントは効果的だったが、その後のイメージに引き出しが不足していた。全体としてそつはない。しかし、それだと津波を押し返すには至らない。


同志社以来の3連覇はまたも実現しなかったが、そのこと以上に早稲田が入り込みかけているおよそ10年前に見た「迷い」の部分が気になる。来年以降も戦いは続く。「俺たちはこれでいく」の迷いなきプランとスタイルの創出こそ、覇権奪回の最短距離になるはず。あまりにも早いシーズン終了を追い風にし、また国立に戻ってきてもらいたい。


その他まだ見ていないが関西学院が明治に大敗し、東海が天理を圧倒した。特に関学の試合は今年たくさん見てきただけに、ラストゲームがいかなるものだったのか、この目に焼き付けたい。


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  1. 2009/12/28(月) 11:22:59|
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