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おもしろき こともなき世を おもしろく 高杉晋作辞世の句より

関東、最後の最後まで

昨日は東京でも関東大学リーグ戦の覇者を決める関東学院大学対東海大学の試合が行われていた。


結果としては31−12で東海大学の勝利。チャンスでしっかり点数を取る、盤石の試合運びで優勝旗を胸元に手繰り寄せた。足腰の強い選手が多い。その太ももの太さに一朝一夕ではない勝利の裏付けを見る。先の関西学院大学とともに大学選手権で上がっていく存在に違いない。楽しみである。


この日胸を打ったのは後半38分30秒、12−28で負けている場面でのスクラム時に関東学院大学の土佐誠主将の放った一言。


「関東、最後の最後まで」


足が止まり、息が切れ始めた味方を鼓舞するシーン。解説の藤島大さんも感情をストレートに表していたが、画面を見ているだけで思わずこみあげてきた。


土佐誠。広島県尾道高校から関東学院大学に進学後は1年次からレギュラー。多くの関係者が「日本のラグビーを背負う」と渇望したNo.8は、昨季の不祥事を経て、海底に沈んだ船の船長に今春就任。先の見えない浮上が始まった。


チームの対外試合再開は今年8月。ほんの数か月前から「ラグビー部」として呼吸することを許されたものの、未だ世間の眼は冷たい。部員による清掃活動なる「みそぎ」も続いているという。王者の面影はなく、船長のつらさは計り知れない。


リーダーとして、プレーヤーとして先頭に立って戦うことを強いられた一年。目の見える相手チームという敵、そして社会や世間という見えない敵。その二つを相手に戦う頭領は、年にして若干22歳。一方で100を超える部員を束ねる「内なる戦い」もあるだろう。これほどの人生勉強はない。


いろんな思いが交錯し、藤島さんが「土佐誠、がんばれ!」と叫んだように、自分も目頭が熱くなった。今を生きている男の眼は一点の曇りもなく、ラグビーが好きなだけのどこにでもいるファンに言葉ではない何かを語っている。


海底で受け取ったバトンが再び輝きを取り戻し、彼の眼がうれしさの涙で曇る日が来たならば、関東ファンの知り合いとビールで乾杯したい。そして第一声。


「土佐誠、本当にいい男」


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  1. 2008/12/01(月) 20:05:54|
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