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おもしろき こともなき世を おもしろく 高杉晋作辞世の句より

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神々しい夜

残しておきたいメモと、薄れる前に感動の記憶を少しだけ。


年が明け、シーズンをにらみながら、中学高校ともに文字通り「雪中ラグビー」を少しずつ導入している。自分が現役のときも行ったが、まずは雪を踏みならし、ラグビーフィールドを作るところから始める。コンタクトの練習では雪がクッションになり、実のところ非常に効果的でもある。体づくりを主において3カ月を過ごしたが、体重、筋力ともにみるみる数字は上昇し、一回り大きくなってきたところで、少し雪の上に出てみた。ここで驚くのは誰が見ても退屈な室内トレーニングで培った脚力によって、足の回転が明らかにアップしてきたこと。足を雪にとられながらも前進するシーンは馬力と形容してもよく、「室内→雪上」というサイクルをフルに生かしていこうと思った。


さて書き残したいのは、高校ではなく中学。


中学1、2年生は全くと言っていいほどゲーム経験もなく、正直「ラグビーとは何ぞや」の世界で呼吸を重ねている。まだまだ幼い選手たちにルールを教えながら、ここで試合経験豊富な中学3年を相手に思う存分ファイトさせてみた。当然ながら半分の人数の3年生にことごとく蹴散らされ、数十のトライは換算された。しかし、ここからが衝撃だったのだが、トライを奪われて奪われて、大きなミスマッチを経てなお、雪の上に倒されては顔を雪だらけにして立ちあがる。目の前の敵に刺さり続けるビッグタックルを身長160センチに満たない選手が次々と演出していく。そうした行為そのものがもはや使命であり、世界で最も抗う集団のようにさえ見えた。


トライを取られた直後に全員が集まる。白い湯気で包まれた体から「次は取ろう」との声が発せられ、冬の夜空の下、何かそこだけ神々しくもあった。


最後の最後、3年生のほんの小さなミスをつないで、必死につないでトライを取り、文字通り一矢を報いた。歓喜の輪。「やっと」の思い。そこには技術も経験も、もしかするとルールの有無さえ微妙な、しかし貴重な「ラグビー」が存在していた。鉛筆ではなく楕円球を手に持ち、塾ではなく雪上で力を発揮していく。おそらく彼らの今までの人生にはなかった人生が始まった瞬間だった。


練習最後の円陣にやや遅れて参加。いつもは話すこともスラスラと出てくるが、この日は感激に言葉がつまった。絞り出すように一言。


「ラグビーは、本当にすばらしいと思う」


忘れられない、素敵な夜だった。

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  1. 2011/01/28(金) 20:31:39|
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